研究概要

当研究室では、脳の情報処理の仕組み、特に、神経細胞をはじめとする脳神経系のハードウェア的特性と脳計算理論のリンクを目指し、主に数理的解析手法・モデルシミュレーションにより研究しています。

網膜情報処理機構

網膜は光刺激を脳神経系の情報伝達に用いられる電気信号に変換する視覚情報処理の第一段階を担う中枢神経系の神経システムです。従来はこの光電変換を担うのみとされていましたが、より高度な情報処理を行なっていることが分かってきました。網膜の正常機能の仕組みや、網膜疾患時の病変過程やその治療法についても研究を行なっています。

リザバーコンピューティング

脳における情報処理の特徴は、脳は時事刻々と変化する外界の情報(感覚情報)を受け取っていること、そのような外界の情報や内的な情報は神経細胞集団のダイナミックな活動により符号化されていること、であり、現在さかんな人工知能技術の特徴とは少し異なっています。このような特徴をもつ情報技術の一つとして、リザバーコンピューティングと呼ばれるものがあり、その特性や応用について研究しています。

脳波データ解析

脳活動計測には様々な方法がありますが、身体的拘束性などが比較的低い、非侵襲的な方法の一つに脳波計測があります。脳波は、神経細胞が活動した時に生じる電気活動が頭皮から計測されたものであり、脳波から脳活動に関する情報を抽出できれば、脳機械直結型インターフェースなどの応用技術に活用できるため、脳波のデータ解析方法について研究しています。